Feb 14

みなさま、こんにちは。

この度、満を持してコロナデビューしてしまいました。。

ことの発端は2月5日、たまたま母が遊びに来ていたのですが

お昼ご飯を食べ終わった頃から体のだるさと喉の痛みを感じ始め、

具合が悪いから寝るね、と言ってありんこと一緒に昼寝をし、

起きたら38度5分の発熱。

夜中には解熱剤を飲んでいるにも関わらず熱は40度を超えて

この急な高熱と体の痛みはインフルエンザじゃないか?と。

今までも子供の風邪がうつったりしたけど一度もコロナにかかってなかったので

自分はかかんないだろう、と根拠もなく信じていた私。

土日を何とか自宅で過ごし、月曜朝イチでかかりつけの病院に行くと、

いつもは「たぶんコロナじゃないですよ」と言ってくれていた先生が

症状を聞いただけで「たぶんコロナですね」と。

またまたぁ〜、どうせ今回も違いますよ!とそれでも信じない。笑

PCRは結果が出るまで3日くらいかかってしまうということで、

その場で結果がわかる抗原検査をしてもらうと

「出ましたよ、バッチリ陽性です」と。。

それでもまだコロナということが信じられず

「インフルって可能性はないですか?」と抗ってみたものの、

「この検査はインフルもわかるようになってて、インフルだとこっちに線が出ます」

と言われ、もはやぐうの音も出ない。

れいじとありんこも午後に検査をしてみたところ、二人は幸い陰性。

ということで私だけ自宅内隔離をして過ごし始めたものの、

ありんこも濃厚接触者で自宅待機なわけだから、

同じ家にいれば私の姿を見つけて当然こちらにやってくる。

これは二人にうつるのも時間の問題では・・と心配していた矢先、

偶然ネットで「コロナ治療薬の治験に参加しませんか?」という広告を発見。

調べてみると、都内では宿泊療養者を対象に治療薬の治験をおこなっているとのこと。

宿泊療養して治験に参加すれば家族のことも守れるし治療薬の開発にも貢献できるし、

一石二鳥だわ!すぐ申し込まなきゃ!!

といつもの「思い立ったら即行動」で宿泊療養と治験に光の速さで申し込み、

水曜午後から都内の某アパホテルへの宿泊が決まりました。

もし、時間を巻き戻してこの時点に戻れるとしたら、

私は治験をキャンセルして自宅療養を選んでいるでしょう。

そのくらい、過酷な一週間の始まりだったのです・・・。

水曜日の昼になり、自宅まで車でお迎えが来るというVIP待遇。

車は同じホテルに行く人と相乗りの場合が多いとネットに書いてあったので

普段は大阪で観光バスの運転手をしているという中年の運転手さんに

「私のほかにもこのあと誰か乗って来ますか?」と聞くと

「2人キャンセルになったから誰も乗ってきませんよ」と。

え、2人もキャンセル・・・? とここでやや不安になる。

治験に参加する人だったのか、宿泊療養だけだったのかわからないけど、

いずれにせよ直前で「やっぱやーめた」となった人が2人いるということ。

のこのこと丸腰で乗り込んでいく自分、大丈夫か?と心配になるも、

大丈夫!私は家族と日本の未来のために戦うのだから!!

とジャンヌダルクばりの使命感で自分自身を鼓舞し、いざアパホテルに到着。

わかっちゃいたけど、狭い、狭いよアパ。なんと13平米しかないらしい。

部屋というよりもベッドとデスクのみの空間。こんな狭いホテル泊まったことがない。

そりゃビジネスホテルなんだから、出張で朝から晩まで外でビジネスして

ホテルは寝に帰るだけよっていうビジネスマンの宿泊を想定してるんですもんね。

まさか一週間部屋に閉じこもるコロナ患者向けに作ったわけじゃあるまいし、

アパ社長だって「ここで隔離は狭すぎて可哀想やわ!」って言うでしょうよ。

この狭い部屋から一歩も外に出ずに一週間も過ごすの・・?

コロナじゃなくて鬱とか別の病気になるんじゃない・・・??と、

ジャンヌダルクの憑依も解けたのかホテルに着いて不安が押し寄せる。

そんな私に追い討ちをかけるごとく、更なる悲劇が起こります。

それは夜ご飯タイムでのこと。

18時過ぎになると爆音で「ピンポンパンポーン」とチャイムが鳴り、

「館内のみなさまへご案内いたします。お食事の準備ができました。

手指を消毒して1階ロビーに起こしください。お弁当は室内でお食べください」

というアナウンスが流れ、宿泊療養者たちがいっせいにお弁当を取りに行きます。

普通に美味しそうなお弁当!いただきます!!

とかぶりついた瞬間、衝撃が。

「あ、味がしない。。。。」

なんと何を食べてもまったく味がしなくなってしまっていたのです。。

これが噂に聞いていた味覚障害か!!

厳密に言うと、甘いとかしょっぱいとか、舌で感じる味は生きている。

ただ匂いがしないので何を食べているのかがさっぱりわからない。

オレンジジュースも、すっぱいジュースということはわかるんだけど、

匂いがしないのでオレンジなのかグレープフルーツなのかがわからない。

何をくんくんしても無臭。生まれて初めて味わう完全無臭の世界。

食べる時だけじゃなくて、お風呂に入っても何の良い香りもしない。

入浴剤を入れてもただ色のついたお湯に入っているという感覚。

今まで散々話には聞いていたけど、自分が体験して初めて

「匂いがしないってこんなに辛いんだ」と実感したのです。

というか、嗅覚障害出るってわかってたら、自宅にいたでしょうね。

そのくらい、狭いホテルでの何も匂わない缶詰生活は、いつもポジティブな私ですら

不安と絶望に押しつぶされそうになりました。

その日の夜は、防護服に身を包んだ治験担当の人たちが部屋に来て、

血液検査とか色々な検査をして23時頃終了。

明日には匂いが復活してますように・・という希望を胸に抱いて眠ります。

(もちろん復活しなかった)

そこから毎日、朝7時と16時に血中酸素濃度や体温、血圧を測定して

LAVITAと呼ばれる健康管理システムに入力し、

治験では飲み薬を1日1回飲み、毎日鼻の粘膜を取る検査を行い(地味につらい)、

支給されたスマホで朝晩2回健康状態についての日誌を入力する日々が始まりました。

療養前半は体がだるくて頭も痛くて、匂いはしないし部屋は狭いし、

何よりありんこと会えない生活がこんなに寂しいものだと思わなくって

もう治験やめたい。。家に帰りたい。。。とかなり弱気になっていました。

が、後半は体調も良くなり、何より終わりが見えてきたことで前向きさを取り戻して

「自分で志願して来たんだから最後まで頑張ろう!!」と

気持ちを奮い立たせて過ごしました。

治験担当の人もビックリするくらい、私の部屋からは東京タワーが

それはそれは綺麗に見えていて、この景色にどれだけ癒されたことか。

毎晩、東京タワーをぼんやり眺めながら、自分の最近の生活を振り返っていました。

こんな風にならないと気付かないのが人間というものだけど、

最近すごく色々な不満だらけになっていたんじゃないかな、と。

夫が気に入らない、仕事が気に入らない、家の内装が気に入らない、など。

“そこそこ”で満足する、ということを忘れていた気がする。

毎日匂いを感じる中で、家族と一緒に生活できるだけで幸せだったんだなぁと。

それに私はたった一週間でここから出られるけど、世の中にはコロナに限らず

病院でずっと生活してる人だって沢山いて、

彼らは終わりの見えない絶望と戦ってるんだよなぁ・・・と。

そう考えたらなんて自分は恵まれているんだろう、と

当たり前の日々に感謝する気持ちが生まれ、

自宅に戻ってからの日々をより良いものにできる気がしてきたんです。

もしかしたら、感謝の気持ちを忘れていた私はコロナになるべくしてなって、

この辛い宿泊療養も必要な経験だったのかもしれません。

こんなこんなで一週間の隔離生活を経て、ようやく明日自宅に戻ります!

匂いがなくなって5日目の今日、嗅覚も少しずつだけど戻ってきて、

石鹸を鼻に押し当てれば良い匂いがするようになりました。

それだけでも人間に戻った気がして、涙が出るほど嬉しかった!

今までずっとどこか他人事だったコロナが初めて自分事になり、

自分自身を見つめ直すとても良い機会になったと思います。

治験のことは守秘義務があるので詳しく書けないのだけど、

いつか病院でインフルエンザの治療薬タミフルみたいに

コロナの薬が処方されるようになったら、

私はその薬を見る度にこの一週間のことを思い出すのだろうな。

そんなにしょっちゅうコロナにかかりたくないけど。笑

大変だったけど、Definitely life changing experienceでした。

みんなも気をつけてね!

そしてもしコロナにかかってしまったら、自宅療養をお勧めします。笑

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